【開催レポート】一般社団法人教育AI活用協会(AIUEO)が「教育AIサミット実例大全」 開催レポートを公開

全国から教員など教育関係者が250名が集結。教育AI活用の実践が集まった「教育AIサミット 実例大全」開催レポート

2025年3月23日(日)に、コクヨ東京品川オフィス THE CAMPUSにて、「教育AIサミット 実例大全」を開催いたしました。

当日は北海道から沖縄まで全国各地から教育関係者約250名が来場。生成AIの教育活用をテーマに、第一線の教員や研究者が登壇するトークセッションと、教育現場での実践報告を集めたポスターセッションが行われました。

■ 開催概要

 日時:2025年3月23日(日)10:00〜18:00
 会場:コクヨ東京品川オフィス THE CAMPUS https://the-campus.net/access/

 参加者:250名(教育委員会など自治体関係者、学校関係者、民間教育関係者、学生など)

■ プログラム内容(一部抜粋)

講演会
 稲垣忠氏と平井聡一郎氏による基調講演「AIで実現する探究的な新しい学びとは」、安藤昇氏、安井政樹氏、鈴木秀樹氏によるトークセッション「直球質問!生成AIの教育活用、何でもトーク」、そして濵田英毅氏、田中善将氏、樋口万太郎氏による特別講演「2025年トレンド AIエージェントと想定される活用事例」では、教育とAIの可能性について多くの参加者が熱心に耳を傾けました。

AIが教育にもたらす革新、そしてその先に広がる未来の可能性について、多くの示唆を得られる貴重な機会となりました。

ワークショップ&ポスターセッション
 1階では4種類のワークショップと、3回に分けて実施されたポスターセッションで、各団体や学校の実践事例が紹介されました。実践者のリアルな声と成果が紹介され、一般参加者による投票が行われました。参加者からの質問も活発で、臨場感のある議論が展開されました。

交流会「AI×教育で繋がりたい」
 教育現場や研究分野での知見を共有し、分野横断的なネットワーキングが行われました。

実例グランプリ&表彰式

 ポスターセッションの上位選出者は、メインステージでの「実例グランプリ」に登壇。
AIを活用した教育実践や、生徒とともに作り上げたPBL型のAI活用授業などが披露されました。各校が創意工夫のもとに築き上げた取り組みは、審査員からも高く評価され、AIが学びの深化と個別最適化に与える影響を実感させる内容となりました。

審査の結果「グランプリ」「話題騒然賞」「即時応用賞」などの各賞が授与され、盛況のうちに幕を閉じました。

「導入するだけでは意味がない」 ― 現場から見えた課題と展望

全体を通じて共有されたのは、「生成AIをただ導入するのではなく、学習デザインや評価までを含めた設計が不可欠である」という共通認識でした。生成AIの活用が学力や創造性に与える影響については、最新の研究データも紹介され、効果の個人差を前提とした丁寧な運用の必要性が語られました。

今後の展望

教育AI活用協会では、今後も生成AIの教育分野での活用に向けて、現場と連携しながら実践と対話の場を創出してまいります。引き続き、教育の可能性を広げる新たな挑戦と共に、全国の教育機関との協力を推進してまいります。

月に中高生の学びを支援する学習アプリCarry Campusをリリースした。現在は中高生や教員の方々の学び方・働き方をアップデートするための新規事業プロジェクトを複数推進している。2023年より、コクヨのヨコクTVCMにも出演した。

■ご登壇いただいた先生方

開会挨拶:コクヨ株式会社

コクヨ株式会社 探求学習領域 プロジェクトリーダー

市原 玲菜 氏

大学卒業後、2010年にコクヨ株式会社へ新卒入社。通販部門のカウネットでコミュニティサイトの運営やプライベートブランドの商品企画を担当。2020年にステーショナリー部門へ異動し、商品企画を担当した後、2021年10月より経営企画部門にて探求学習領域の新規事業創出や中高生向け学びのサードプレイス事業のプロジェクトリーダーを務める。

午前の部:「AIで実現する探究的な新しい学びとは」(仮)

東北学院大学 文学部 教授 (兼任)人間情報学研究科 教授

稲垣 忠 氏

関西大学大学院総合情報学研究科博士課程後期課程修了。博士(情報学)。専門は、情報教育、教育工学。東北学院大学教養学部講師、准教授等を経て、現職。日本教育工学協会常任理事、日本教育工学会・日本教育メディア学会理事等を務める。共訳に「情報時代の学校をデザインする 学習者中心の教育に変える6つのアイデア」(北大路書房)著書に「探究する学びをデザインする!情報活用型プロジェクト学習ガイドブック」(明治図書)など。

合同会社未来教育デザイン代表社員 

文部科学省 中央教育審議会 臨時委員

平井 聡一郎 氏

茨城県の公立小・中学校教諭、管理職、県内町村、県教育委員会で指導主事・指導課長を経て現職。文部科学省中央教育審議会臨時委員、株式会社情報通信総合研究所特別研究員、茨城大学非常勤講師などのほか青森県教育改革有識者会議委員、福井県学校DX推進アドバイザー、南牧村教育CIOなど、複数の自治体、私学、教育関係企業でICTアドバイザーを務める。

特別講演:教育AI活用の未来 ― 一般社団法人教育AI活用協会が描くビジョン

一般社団法人chiku.wa代表理事 株式会社educave代表

竹内瑞穂氏

20年以上にわたり学習塾を経営し、国内外で教育ツアーの企画や過疎地での教育支援に取り組んできた。一般社団法人chiku.waでは、不登校の子どもたちへの支援や地域食堂の運営を通じて、誰もが学べる環境づくりを推進している。教育とAIの可能性に共感して一般社団法人AIUEOの活動に参画し、個別最適化された学びの実現を目指している。

「教育AIサミット2024」特別上映会:AIネイティブ世代サミット

近藤にこる 氏:中学生
起業部 部長 EdFusion代表
古川瑞樹 氏:高校生
学校共同代表 私立新留小学校設立準備財団
河津大誠 氏:大学生
 起業家・一般社団法人理事(生成AI協会)
片岡裕貴 氏
インキュベーション施設 スタートアップ支援課責任者(STATION Ai)

午後の部:「直球質問!生成AIの教育活用、何でもトーク」(仮

青山学院中等部 情報教育担当講師

安藤 昇 氏

青山学院中等部講師、青山学院大学非常勤講師、スタディサプリ講師。 BS日テレおよびネット番組Huluにて配信中のプログラミング教育番組の講師を務める。 元佐野日本大学高校教諭、2019年に上京し現職。 AI活用に関連した講演を多数実施している。

札幌国際大学 全学共通教育部・情報教育部門 准教授

安井 政樹 氏

文部科学省学校DX戦略アドバイザー。北海道・札幌市の小学校で 20年間教諭を務め、2022年4月から現職。主な研究テーマは、ICTを活用した教育の充実(子ども支援・教員支援)とインクルーシブ教育による共生社会の実現。道徳教育の視点からAIの教育について研究を進めている。ICT教育、道徳教育、授業づくり等に関する著書・論文多数。

東京学芸大学附属小金井小学校 教諭
鈴木 秀樹 氏

慶應義塾大学大学院社会学研究科教育学専攻修士課程修了。私立小勤務を経て2016年より現職。ICTを活用したインクルーシブ教育、学習者用デジタル教科書、生成AIを活用した授業づくり等が主要な研究テーマ。単著に『 ICT×インクルーシブ教育 誰一人取り残さない学びへの挑戦』(明治図書),編著書に『Face to Faceの教育から、学びのSide by sideへ Microsoft 365 Educationを活用した小学校の学級づくり・授業づくり』(明治図書),共著に『ChatGPTと共に育む学びと心 ―AI時代に求められる教師の資質・能力』(東洋館出版社)他。

教育AI実例グランプリ:審査員

一般社団法人ICT CONNECT21会長 東京工業大学 名誉教授

赤堀 侃司 氏

東京工業大学大学院修了後、静岡県高等学校教諭、東京学芸大学講師・助教授、東京工業大学助教授・教授、白鷗大学教授・教育学部長を経て、現在、(一社)ICT CONNECT 21会長、(一社)日本教育情報化振興会名誉会長、東京工業大学名誉教授、工学博士など。専門は、教育工学。主な著書は、「タブレットは紙に勝てるのか」(ジャムハウス、2014)、「プログラミング教育の考え方とすぐに使える教材集」(ジャムハウス、2018)、「AI時代を生きる子どもたちの資質・能力」(ジャムハウス、2019)など。

東北学院大学 文学部 教授 (兼任)人間情報学研究科 教授 稲垣 忠 氏
合同会社未来教育デザイン代表社員 文部科学省学校DX戦略アドバイザー 平井 聡一郎 氏

札幌国際大学 全学共通教育部・情報教育部門 准教授 安井 政樹 氏

上記の4名の先生方に審査をお願いしております。

特別講演:「2025年トレンド AIエージェントと想定される活用事例」(仮)

玉川大学 教育学部 教授
濵田 英毅 氏
専門は日本近現代史(歴史資料論)。近年は専門領域を基盤としたSTEAM教育の実践に取り組む。歴史の「臨場感」ある語りを重視し、3Dプリンターやストーリーテリングなど「臨場感」を再現する教材開発に注力。生成AIを活用した教材「歴史人物シミュレーター」を開発した。

スクールエージェント株式会社 代表取締役  
文部科学省学校DX戦略アドバイザー デジタル庁デジタル推進委員

田中 善将 氏

東京学芸大学 教育学部 情報教育専攻卒業。関東第一高等学校  AI駆動型探究オーガナイザー。 中高一貫校の数学科教員を経て、バングラデシュで教頭として教員採用や教員研修を担当。現行教育の限界を痛感し帰国後、中学校の担任を経て、ICTを現場に浸透させる必要性を強く実感し、2018年にスクールエージェント株式会社を創立。教育ICT改革の支援を公私立校に展開しながら、教育リソースの開放を目指す。 

中部大学 現代教育学部 現代教育学科 准教授
樋口 万太郎 氏

大阪府出身。京都教育大学大学院連合教職実践研究科専門職学位課程修了。大阪の公立小学校、大阪教育大学附属池田小学校、京都教育大学附属桃山小学校、大阪の私立小学校の教員を経て、2024年に中部大学に着任。現在は現代教育学部 現代教育学科 准教授として教職を志望する学生の指導にあたるほか、現役教員や保護者向けの教育セミナーなどに講師として登壇。また、関西大学大学院総合情報学研究科博士課程に在籍中。

閉会挨拶:コクヨ株式会社

コクヨ株式会社 経営企画本部イノベーションセンター 
学び探求ユニット ユニット長

久我一成 氏

2015年にコクヨ株式会社に入社。ステーショナリー事業本部にて文具の開発、経営企画室にて長期戦略立案、新規事業開発担当を経て、2022年1月に中高生の学びを支援する学習アプリCarry Campusをリリースした。現在は中高生や教員の方々の学び方・働き方をアップデートするための新規事業プロジェクトを複数推進している。2023年より、コクヨのヨコクTVCMにも出演中。

■ 協力団体

以下の以下の団体の皆様にご協力をいただき、運営を実施してまいります。

  • 一般社団法人 生成AI協会(GAIS)
  • CDLE
  • 一般社団法人もあふる
  • 一般社団法人chiku.wa
  • 青楓館高等学院 

■ 協力メンバー

広上隆之(個人)
藤村薫子(有限会社スタックシステム/GAIS(生成AI協会))
中村文彦(有限会社スタックシステム/GAIS(生成AI協会))
遠藤 優一(CDLE埼玉)
多喜脩文(CDLE埼玉)
原田善之(CDLE埼玉)
齋藤卓也(ネットスター株式会社)
野中健次(株式会社わけわけ)
小林庸介(大府市立石ヶ瀬小学校)
竹之内大輝(一般社団法人もあふる・つくば市立栗原小学校)
内田 卓(つくば市立研究学園小学校)
岩井 祐一(東京学芸大学附属特別支援学校)
中島 鑑(横浜市立鴨志田緑小学校)
中沢 剛(株式会社ドットフレーム/株式会社リンゴヤ/AIUEO統括)
木村康英(CDLE埼玉)
竹内瑞穂(一般社団法人chiku.wa)
矢野伸一(CDLE埼玉)
阿部和也(合同会社UPGRADE)
佐々木 弘(CDLE埼玉)
渡邉 賢司(CDLE埼玉)
佐藤ひかる(CDLE埼玉)
小笠原佳人(有限会社スタックシステム/一般社団法人生成AI協会)
岡田紘幸(MPC)
小林弘治(CDLE埼玉)
宮内智(さいたま市立美園南中学校)
米田謙三(早稲田摂陵高等学校)
岸広翔(千葉大学教育学部3年)
濱田和幸(済美平成中等教育学校)
塩渕市子(鴨志田緑小学校)
佐藤妙子(昌平高等学校)
門屋孝明(済美平成中等教育学校)
押谷 悠佑(株式会社アートブレーンカンパニー)
鈴谷大輔(特定非営利活動法人タイプティー)
村岡大地(GAIS)
新井 弓翔(さいたま市立上小小学校)
伊藤雅康(AIUEO副代表)
伊藤結唯(AIUEO副代表の娘)
中山 優祐(abc)
藤原照恭(青楓館)
土屋天音(青楓館)
佐藤諒(青楓館)
和島祐生(sentoグループ)
小林蒼斗(sentoグループ)
細川和哉(日体大柏高校)
熊井允人(日体大柏高校)

開催概要

日時:2025年3月23日(日)10:00〜18:00

 会場:コクヨ東京品川オフィス THE CAMPUS 
東京都港区港南1丁目8番35号 https://the-campus.net/access/  ※JR品川駅港南口より徒歩3分

 対象:教育委員会など自治体関係者、教員など学校関係者、学習塾など民間教育関係者・教育に興味のある学生

■ 主催

一般社団法人教育AI活用協会(AIUEO:AI Usage for Education Organization)

教育現場での生成AI活用普及を通じて、教育の質向上を目指す団体です。
イベント開催などさまざまな普及活動を展開してまいります。
 URL: https://ai-ueo.org/

■ 共催

株式会社みんがく

株式会社みんがくは、「次世代の教育をスタンダードを創る」をビジョンに掲げ、「教育×テクノロジー」をテーマに現場課題と向き合う会社です。もともと、全国の教育者が協力して運営していた合同オンライン自習室から始まったプロジェクトが発展し、会社となりました。
その後も、教育サービスの開発事業、教育機関へのコンサルティング・研修事業、教育メディア事業など「教育×テクノロジー」
を軸に幅広く事業を展開しています。現在では、生成AI×教育のサービス開発プラットフォーム「スクールAI」の開発に注力しています。
 URL:https://school-ai.mingaku.net/company/

■ 特別協力 

コクヨ株式会社

教育AIの最新情報をLINE公式アカウントでお届けしています。ぜひ友だち追加をお願い致します!

LINE友だち追加